原 勝則
2017.01.16
“結婚が決まったら、まず式場探し”をやってはイケない3つの理由
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「結婚が決まったら、まず式場探し」
それが日本のブライダルでは当たり前ですよね。
しかし、実はそのやり方って大間違いで、やってはイケない進め方なのです。
本日は「結婚が決まったら、まず式場探し」をしてはいけない理由をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
【目次】
■理由1 最終的に我慢するハメになるから
■理由2 払わなくていい費用を払うことになるから
■理由3 最終的にゲストの満足度が下がってしまうから
■じゃあどうすればいいの?正しい準備の進め方
■まとめ
理由1 最終的に我慢するハメになるから
式場を見学する時は、立地や広さや雰囲気を重視して見てまわる人がほとんどです。
もちろん、結婚式で何をやるか、とか、どんなドレスを着ようか、など細かいことはこの最初の段階で決まっているわけがありません。
『そんなことは後から決めればいい』とどこかで思ってしまっています。
しかし、実は「式場はココに決めた!はい、契約!!」となった瞬間、料理・ドリンク、ドレスなどの衣裳、花、演出の幅、など、それ以外のすべてのものも自動的にほぼ決まってしまったということを意味するのです。
なぜか。
式場には、専属のウェディングプランニング会社があります。
ウェディングプランニング会社の主な業務は結婚式を無事とりおこなうための各種手配です。司会、衣裳、花、ケーキ、引出物など、結婚式に必要なものは数多くありますが、ウェディングプランニング会社の多くは、社員にプロ司会者がいるわけでも、会社でドレスを製作しているわけでも、花を育てているわけでもありません。
要するに外の会社から”手配”するのです。
そしてその”外の会社”はたくさんの候補があるわけではなく、限られた業者です。
ドレスはA社から手配。花はB社から手配・・・といった具合です。
結婚式の準備が進んできて、「ではそろそろドレスを決めましょう」となった段階で、ウェディングプランニング会社から、「ドレスはこの場所にあるのでここで好きなものをお選びください」と、A社の地図と連絡先を渡されます。
実際にあなたが言われるままにA社にドレスを見に行ったとしましょう。
もし、A社に気に入ったドレスがなかったとしても、そこから何とか選ばないといけないのです。そして何とか妥協して見つけたとしても、「あ、そのドレスは、同じ日にすでに予約されているので、お貸しできません」となるケースも結構あります。
うーん、それじゃ仕方ないか・・・
と、さらに妥協して探すしか道はないのです。
その結果、ドレスで我慢するハメになります。
同じことがその他のすべてのものに当てはまります。
料理も、契約した後になって試食会などに行って、「うーん、ちょっと味が濃いな…」なんて言っても手遅れです。料理で我慢するハメになります。
ドリンクも、式場にこだわりのお酒がない場合だってあります。ドリンクで我慢するハメになります。
プロフィール映像を流したいけど、スクリーンがやたら小さいとか、スクリーンの設置場所が固定で動かせなくて、この位置だと、あっちのテーブルの人からは見えない、なんてこともあります。 演出で我慢するハメになります。
先に式場を決めるという行為は、”我慢”を増やすことにしかつながらないのです。
理由2 払わなくていい費用を払うことになるから
我慢ばっかりするなんて、絶対にイヤ!!一生に一回なんだから、後悔しないような素晴らしい式にするんだ!!
と「脱・我慢宣言」をした人の場合、ひとつの我慢を消すのに、本来であれば支払う必要のないお金を支払う必要が出てきます。
「持ち込み料」です。
A社のドレスが気に入らないから、自分の足で、ドレスショップを回り、ついに納得の1着を見つけたとしましょう。
「ぴったりのドレスを見つけました!!」とウェディングプランナーに報告してみてください。
一緒に喜んでくれるかと思いきや、 「え~っと、その場合、外からの持ち込みなので、持ち込み料10万円かかります」 なんていう、カウンターを浴びることになります。「ええ??味方だと思ってたのに・・・」とあなたはここでシビアなビジネスの現実を突きつけられます。
ウェディングプランニング会社としてはA社のドレスを選んでもらえば、A社から紹介料をもらうことができます。
あなたがA社以外からドレスを選んでしまっては、売上が下がってしまうのです。
そこでウェディングプランニング会社は、提携外のドレスを選ばれても売上が下がらないよう、「持ち込み料」を設定しているのです。
持ち込み料の金額や持ち込み料がかかるアイテムの対象などは式場によってさまざまです。
ドレスなどは分かりやすいですが、引出物、映像、ペーパーアイテム、プチギフト、カメラマンなどなど、「え~!それも!?」というようなものに持ち込み料を請求されることなんてしょっちゅうです。
そして、いちいち持ち込み料がかかるなんていうのは、大体、契約をして準備もかなり進んで、招待状も出してしまった段階で発覚することが多いのです。
招待状も出してしまっているので、いくら持ち込み料に納得がいかなくても、式場を変更するわけにもいかないし・・・
ということで泣く泣く支払うハメになります。
理由3 最終的にゲストの満足度が下がってしまうから
こうして我慢や妥協を繰り返したり、無駄な支払いのために、他の項目の費用を削ったりして、帳尻を合わせていくと、最後に犠牲になるのはゲストの皆さまです。
ゲストの皆さまはわざわざ休日に、ご祝儀や会費を持っておふたりのために足を運んでくださっているわけです。
本来であればゲストの皆さまに、心から喜んでもらえるような式やパーティーにすべきところが、最高の花嫁姿を披露できなかったり、演出を100%楽しんでもらえる体制になっていなかったり、他のアイテムの持ち込み料を支払ったがために、ドリンクの選択肢が減ってしまっていたり、なんだかんだとゲストへのパフォーマンスが劣化してしまいます。
結婚式はゲストの喜びが大きければ大きいほど、ふたりへの祝福の気持ちも大きくなります。
裏を返せば、ゲストの満足度を下げるということは、祝福の気持ちも小さくなってしまい、ふたりに跳ね返ってくる、ということなのです。
正しい結婚式準備の進め方
我慢もせずに、無駄な支払いも避け、ゲストの満足度を上げるためには、”まず式場探し”ではなく、”まず内容を決める”が正しい答えです。
誰を招待するのか、どんな雰囲気の式にするのか、フォーマルにやりたいのか、
カジュアルでアットホームな雰囲気でやりたいのか、面白くしたいのか、感動的にやりたいのか
といった抽象的なことから始まり、具体的にどういう流れでやるのか、どんな演出をやるのか、どんなアイテムが必要になるのか、と具体的であれば具体的なほどいいです。
具体的な所まで落とし込めると、式場スタッフに具体的な質問が出来ます。
例えば「空飛ぶペンギン社イチオシのゲスト参加型演出アイテム「フォトシュシュ」がやりたいんですが、取り扱いはありますか?(無ければ)持ち込んでも良いですか?」といった具合。
(すみません、わかりやすく宣伝入れました。)
とにかく、じっくり時間をかけて話し合って決めてください。
そしてある程度、結婚式の内容が具体化した段階で、式場を探してください。
いきなり式場を探し始めた場合は、雰囲気や立地や広さなどくらいしかチェックポイントがなかったのが、 料理・ドリンクの質は?予定している演出を実現する上で、どういう制約がかかるか?持ち込み料がどれにかかりそうか、などが事前に分かります。
ドレスに関しても、式場と契約する前に、その式場の提携ドレス屋を実際に見せてもらいましょう。
さらにチェックしたもの以外で、持ち込み料がかかるものを事前に聞き出しておけばバッチリです。
そこまで具体的にチェックした上で、各式場を比較します。
こうすることで、ふたりでじっくり決めた内容を実現できる式場に出会えますし、交渉も有利に進み、コストも最小限で済みます。
“結婚が決まったらまず内容を考えよう、式場選びは最後の最後でいい”
が、ふたりにとっても、ゲストにとっても、最高の結婚式につながるのです。
因みに、空飛ぶペンギン社で結婚式プロデュースのお手伝いをさせていただく場合は必ず「まず内容を決めて」から「式場探し」という順番で進めています。
■まとめ
結婚式場って思った以上に制約があり厳しいということがお分かりいただけたでしょうか。
最近では持ち込みに関して寛容になってきている式場も多いですが、まだまだです。
実際に空飛ぶペンギン社のお客様にも「具体的な内容や、やりたいイメージを考える前に式場と契約をしてしまい式場とトラブルになっている」とご相談にくる新郎新婦様も多数いらっしゃいます。
とは言え、持ち込み料金を設定することは違法ではありません。
経営面からいうと、会社を運営するためには必要な策かもしれません。
だからこそ、こういった事実を知ったうえで賢く式場探しをすることが大切です。
「結婚が決まったら、まず式場探し」ではなく「まず内容を決める」をいう進め方は、情報収集の面でも役に立ちます。後悔のない幸せな結婚式を実現するためにも、ぜひ「まずは内容を決める」を実践してみてくださいね。
原 勝則
空ペン社代表
NHK、リクルート、ベンチャーを経て、空飛ぶペンギン社を設立。 ブライダル業界のことを何も知らずに飛び込んだおかげで、アレやコレや何かと大変な目に合いつつも、これまでのブライダルにはなかった新しい風を創り出す(自称)。日々、精進中。
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